人間の赤ちゃんも、もとはたった一つの細胞(受精卵)です。
これが分裂を繰り返し、妊娠3週目ごろには、外胚葉、中胚葉、内胚葉と呼ばれる各部分に特殊化していきます。これを分化といいます。
それぞれの胚葉はさらに分化を繰り返して、それぞれ脳や神経系、骨格や筋肉、内臓になっていきます。
脳の場合、妊娠6ヶ月までは急速に大きくなりますが、表面はしわがなく、のっぺりしています。妊娠7ヶ月頃にしわが沢山できて、妊娠9ヶ月には外見上は大人の脳とほとんど変わらなくなります。
脳を構成する細胞は、神経細胞(ニューロン)とグリア細胞です。
神経細胞は、細胞の一部である樹状突起と軸索によって、他の細胞とネットワークを組み、情報を交換しています。
一方、グリア細胞は、神経細胞に栄養を供給したり、脳が傷ついたらそれを修復する働きをします。
また、グリア細胞には、髄鞘をつくるという働きがあります。髄鞘とは、神経細胞から伸びた軸索を包む一種の絶縁体で、軸索が髄鞘で包まれることを髄鞘化といいます。
髄鞘化が進むと、情報が交錯しないため、情報交換がスムーズにできるようになります。
脳細胞のうち、知的な営みや運動に直接関わるのは、神経細胞です。
この神経細胞は、胎児期に爆発的に分裂を繰り返し、誕生時には、人間の場合には約120億個(ニホンザルで40億個)に達します。
しかし、誕生後、数が減ることはあっても増えることはありません。(近年の研究で、運動の後にニューロン新生が起こることが確認されています。)
一方、グリア細胞は、誕生後も増え続け、髄鞘を形成していきます。赤ちゃんの脳の重さが生後も増え続けるのは、樹状突起が伸び、グリア細胞が増殖するからです。


